借金のない者にはハイパーインフレは怖いが、デフレスパイラルは歓迎すべき状況だ。
借金のある者にはハイパーインフレは都合がよいが、デフレスパイラルは首をしめるに等しい。
日本が本当に高齢化社会に向かっているのであれば、高齢者にとってデフレは困る事で
はない、物価が下がるのだから。当然年金も下がるが、7万/月ほどの国民年金で生活
できる分けがないのだから、蓄えを切り崩しているのは自明、デフレではこの蓄えが有効
になるのだ。サラリーマンにとっては、物が売れないと、企業の業績が下がり、給料が下がる
という現象がでるだろうが、企業が赤字販売をしないならば、必然的に価格は下げ止まる。
現在100万で販売している品物の原価を80万とすると、利益が20万出ているのだが
企業は20万の利益を確保する為に、原価を下げる故に給料が下がる。
所がこの給料も企業の継続性確保の為、ある水準以下には下げられなくなり、確保する
利益額を下げる。やがて、利益額も下げられなくなり、製品価格は落ち着く。
この落ち着き先を具体的に示せればよいのだが、知識不足で出来ないのが残念だ。
利益額が下がると株主配当額が減るが、この配当額をあてにしている者は国内では少ない
ので影響は小さいと想像するのだが、どうだろう。
簡単に書くと、適正な利潤、適正な給与、適正な価格に落ち着くと想像するのだ。
知恵の有る者、体力のある者が生き残るが、ハイパーインフレ下でも同じだが、デフレ下
では貧乏人に優しい生き残りとなるのだ。
極端な事を云えば、生活保護費程度まで給料は下げられるということだろう。
ローン等がある者は地獄を味わうことになる。
それ故に、経営者がデフレを極端に嫌うのは当然、同じ理由で財務当局も嫌うし、証券会社も
嫌うのは当然、そこに働いているエコノミストが嫌うのも当然だ。
「物価が下がる→売り上げ額が下がる→株価が下がる→含み資産が下がる→財務諸表の数値
が悪くなる→固定費の削減→給料の削減→購買力の低下→価格を下げる」
という循環になるのだろうが、どこかで収斂する。
収斂点は売価+α≒原価だ。売価<原価だと、その会社は必ず倒産する。
αが限りなく小さくなるのがデフレ。
αが何処までも大きくなるのがインフレ、αが大きくなるという事は発散ということだ。