HIGASHIMURATA’s blog

東村田昭の備忘録

社説「廃止の怒りも分るが」を読んで

イメージ 1

朝日新聞の社説をよんだ読書感想文だが、何か支離滅裂なように思える。

「今後、お年寄りが増えた時に、いまでも厳しい国保の財政が維持できるとは思えない」

其の通りだと思うが、ではなぜ、後期高齢者医療制度なら維持できるのだ。

若い者から年寄りまで幅広い者が入る保険で維持できないものが、高齢者に特化した保険なら

維持できるという根拠はなんなんだ。逆なら分るのだが。

人口ピラミッドの図を添付したが、75歳以上の者が100歳近い者の医療費等を保険料で支えら

れるという論拠はなんなんだ。

「だれがどう負担しているのかがわかりづらかった。現役世代の負担が際限なく膨らみかねない

という不満もあった。こうしたあいまいな点をはっきりさせておこうというのが、新制度だ。」

こうなると、この制度は負担先を明確にするためだけに、切り離したという認識になるのだが、

今は昔と違い、レセプトは電子化ベースが殆どだろうから、容易に積算できる。

故にどの年代が沢山使っているかは時々刻々と把握できるはずで、それを公開すればよい

だけではないのか。

さらには、現役世代の負担が際限なく膨らみかねないという点もおかしな捉え方だ。

新制度でも年寄りが増えれば際限なく膨らむだろう。

数値で考えると分りやすい、現在は5:4:1で1兆円とすると、5000億は税金、4000億は現役世代、

1000億は高齢者だろうが、これが2兆円になれば、1兆円は税金、8000億は現役世代、2000億は

高齢者、3兆円では、4兆円では、5兆円では、いずれにしても際限なく膨らむ。

保険制度に関係なく右肩上がりで推移するはずだ。違うとすれば、高齢者が入る保険と現役世代が

はいる保険に違いがある、即ち医療の質と量に差があるということしか考えられないのが常識では

ないのか。

この事を高齢者は直感で「うばすて山のような制度だ」と表現しているのだろうが、そうは受け取れない

らしい、朝日新聞の方は。

また、「自営業者らの所得をつかむかという問題もある」となると、今の所得税の申告等々も正しくないと

いう認識なのか、ならば、そちらの問題提起もしなければならないのだが、高齢な自営業者の所得は

どうつかむのだという問題提起でもあるだろう。

彼等の保険料は正しくないという指適なのだろうか。

ならば、とりよいところからだけ取るなという批判がでてもよいはずだが、社説にでないのはなぜだ。

「制度が定着しない」とい記述があるので、高齢者医療制度に賛成の立場なのだろうが、高齢者医療

制度は単に財源問題だけではないのか、財源に問題がなければ、国保のままで十分とも思える

結末になるのだが、それでよいのだろうか。

もっとも疑問なのは、人口ピラミッド図の変化をシュミレートだ。

従来の死亡率を適用しているのだろうが、それが適切かどうかだ。死亡率が高まれば、医療費の負担が

減り、低ければ、負担が高くなる、なんとも皮肉なことだ。

ふと思ったのだが、安楽死尊厳死、呼吸器外しが認められた前後の医療費の変化を示すデータは

あるのだろうか。案外、それらが認められると医療費がガクッと減っているのかもしれない。

恐ろしいことだ。