HIGASHIMURATA’s blog

東村田昭の備忘録

1000万台も車を造ってたら不良品もでる

1000万台も車を造ってたら不良品もでるのは当たり前だと思うし、検査をすり抜けている台数も

生産台数に比例しているのは、公知の事実だろう。

電子制御装置、一台一台にどの程度の出荷試験が行なわれているのか不明なのだが、

抜き取り検査だけならその見過ごされている不良品は、更に多くなると推測する。

1台1台に電子検査装置を使い試験していても、その時は正常に作動したが、何日か後、数ヶ月後に

異常がでるケースはある。

そういう意味で、工場で幾ら再現試験をしても、異常状態が発生しないのは、経験上良く分かる。

設計ミスではないのだが、あえて言えば製造ミス、検査見逃しなのだが、責めるのが酷なのがある。

パソコンやテレビを購入し、暫くは正常に動作していた機器がある日突然に動かなくなる事を

経験した人も多いだろう。

車もそれと同じで、電子機器を使っている割合が多いほど、そういう傾向が現れる。

確か、出荷見逃し率、検査見逃し率とか呼んでいたと思うが、これを0%に出来ないのだ。

トヨタの社長が急成長しすぎたというのは的を得ていて、上記のような意識を全員が共有でき

なかったと暗に言っているのだろうが、これはどこの企業でも出来ない。

特に、信頼性の高い、高品質の製品を作っている所では陥りやすいし、そういう所が原価低減で

設計や部品や検査方法を変えた時にバタバタと出現する。

利用者が防御するしかないのだ。

まめに修理するとか、検査するとか、点検するとかしかない。

出荷前にメーカーで車1台1台、実際にテスト道路を走り、装置を確認しろとは、要求できないだろう。

1台、1000万も2000万もする高級車なら可能かも知れないが、一般的には非現実的だ。

利用者が車は、走行試験がされていない、という意識を持つのが必要なのだ。

トヨタを擁護しているのではなく、大量生産品には全てそういう側面があるという事を覚悟して

使わなければならないと述べている。

最近、我が家で起こったこれに類する不良は、

娘が量販店で購入した薄型テレビで起った。

現象は画面が突然消えるのだ、量販店にクレームした所、量販店がメーカーに連絡、メーカーが

娘の家に来て、基板を交換、その後、暫くは正常に動いていたが、再び画面が消え始めたので、

量販店、メーカーに連絡、量販店かメーカーか不明だが、同じ型式の新品と交換、その後、異常なし。

電子装置ってこういう事が稀にある。

こうい事が車で起ったというだけで、対応が不味かったの一言に尽きる。

そいう点で、急成長しすぎたというのは正に正しい認識なのだ。

アメリカの公聴会で、証人が嘘をついていてもいなくても、電子装置に不良がでたという

認識をトヨタの開発技術者は持っていると思うが、どうしようもないとも思っていると思うし、

何とかしたいという気持ちもあるのは確実だろう。

最後に余談というか蛇足だが、

まだ現役で現場に出ていた時、装置の動きがおかしくなり、工場に連絡、工場より交換部品を持って

人が来た、それも品証の人と設計の人、2人で来て、基板を交換。

彼等が動作を確認し、帰ろうとしたので、直感的におかしいと思い、職権で帰さず。

2時間ぐらいつき合わせている間に、トラブルが再発。

2人に嫌味を散々云い散らした所、図面を彼等が見出したので、更に追求すると白状。

基板の性能一杯で当方が使った為に、偶に誤動作するというのだ。

基板の性能一杯で使った所もなく、そういう厳しい目で試験された現場もないのだという。

直るのかというと直らないという、基板の設計見直しで、何ヶ月も掛かるというのだ。

多分、連絡をしたとき、基盤設計者は感じたので、来たのだろう。

こちらも来るはずの人が来たので、おかしいと感じたのだが、、、、。

この結論は、顧客が要求している仕様まで、基板の動作を落とし、仮処置、その後、基板を改造。

こういう情報は上には上がらないのだが、顧客の役員から当社の社長に話しを入れると脅した

結果基板が改善されたのだ。

こういうおかしな人も人脈がある人も急成長の中では生まれないのも実際だろう。