HIGASHIMURATA’s blog

東村田昭の備忘録

「かんぽの宿売却」の裏技

2400億円した「かんぽの宿」を109億円で売る魂胆と買う側の性根を考えてみる。

毎年40億~50億円もの赤字が出ている施設が雇用を確保されたままで黒字に転じるなど

考えられないので何か契約に裏があるだろう。

それでその裏技を推測してみた。

1)雇用を確保されるのは正社員のみで、パート、派遣、契約社員は整理されるか、契約期間満了

で再雇用されない。

2)正社員も異業種への異動、または通勤困難な勤務地へ転勤させ、自主退職を促す。

3)転売禁止期間は短く2年。また、転売先が雇用を確保するという事であれば、転売可能。

4)建物は転売禁止だが、土地は転売可能

5)料金を上げたり、下げれば、黒字になる施設がかなりあるのだが、日本郵政には出来ない縛りが

あるが、オリックス不動産(民間)ならこの縛りが取り除かれる

更に、一括売却の中には

6)使用していない施設や土地等、即転売可能な物件を含ませており、そこは売却可能な

契約としており、その売却価格で転売禁止期間の赤字を埋められる仕組みとなっている

7)支払いが終わっていない物件は、日本郵政がその費用を負担する契約

ざっと、以上だが、民間企業では1)、2)、3)、4)は当たり前の行動なので、従業員には厳しい

事になるだろう。

5)は地元との約束というか、価格協定があり動かすに動かせないという事だ。

例えば、値段を下げると、稼働率が増え、黒字化したりする場合もあるし、稼働率が高い所は

値段を上げても大丈夫で、収益が益々向上するケースもあるのだろう。

案外、建設費用は分割等で支払い中で、この支払いが経営を圧迫しているのであれば、売却

しても、赤字がなくなるわけではない。

国鉄の負債を国鉄清算事業団(?)が一手に引き受け、JRに引き継がなかったのと同じことを

する考えなのかも知れない。

70施設で40億~50億の赤字が出ているというのだから、50億を70施設で割ると、7200万円

従業員数が分からないので、100人/施設とすると、72万円/人の年収削減で黒字になる。

但し、72万円削減されると生活が成り立たなくなる者もいるだろうが、そういう方は1)の方だろう

から、それこそ人員整理対象なのだ。

オックスとしては、109億+50億+50億=209億の価値がある物を109億で落札し、

2年経過後に、ばら売りし、儲ける計画なのだろう。

しかし例えそうでも、まっとうな入札で落札したのであれば、オリックスを責めるのは酷だろう。

売却期限が2012年、今は2009年、経済が回復するまで、寝かしておくのも手だろうが、

そのまま放置ではなく、コンサルタントにお願いし、1)や5)をやればよい。

当然、電気、水道、ガス、重油、食材費等の低減もやればよい。

ただ、指定管理者制度を導入しても赤字が改善されない場合もあるので、その時は思い切って

廃止すればよいだけだ。