HIGASHIMURATA’s blog

東村田昭の備忘録

インド洋に補給艦を戻せという意見が

11月28日の産経新聞に、インド洋に補給艦を戻せという記事が載っていた。

無理に無理を重ねた論理で、泣き言に近く、また理科系の頭で見ると不合格な文脈だ。

まず、「アフガニスタンへの関与」という表題で以下の内容が纏められている。

超危険「不朽の自由」作戦(OEF)」;20か国

危険「国際治安支援部隊(ISAF)本隊業務」;39か国

危険性あり「地方復旧チーム(PRT)」;27か国

安全「インド洋海上阻止活動(MIO)」;7か国

超安全「洋上給油活動」;日本

危険度の分類、超危険から超安全まで5段階ある。

注意点は陸上活動は危険、海上活動は安全という所に特徴がある。その理由は明快で

アフガニスタンは海に面していないという事だろう。

極論すると、チベットでの反政府活動を防止するために、東シナ海海上阻止活動とその

支援の為に、給油を行っているということだろう。

この例からすると、漫画チックと感じるのは私だけなのだろうか。

「OEFとISAFの参加国部隊の死亡者数」として

アメリカ 463名
イギリス 84名
カナダ 71名
スペイン 23名
ドイツ 22名
フランス 12名
オランダ 12名
イタリア 9名
デンマーク 7名
ルーマニア 5名
ノルエー 3名
オーストラリア 3名
スエーデン 2名
エストニア 2名
ポーランド 1名
ポルトガル 1名
チェコ 1名
フィンランド 1名
韓国 1名

死者を出している国は19か国だ。この国が全てOEFに参加しているとすると、1か国は

まだ死者がでていない事になるが、どこの国なのだろう。大したものだ。

表題によるとIASFも含めているので、まだ、18か国で死者が出ていない。

この事から推測するには、OEF,ISAFに参加しても、死者を出さずに活動できる余地が

あるという事だろう。逆にアメリカ等は3桁や2桁の死者を出して、出しながら何を行って

いるのだろうかという疑問が湧いてくる。

疑問というのは、相手がテロリストかという事だ。文明との戦いでないことを祈るばかりだ。

文明との戦いであるならその武器は、地方復旧チーム(PRT)の延長上の活動で、

アフガニスタンの人達の生活や意識を21世紀風に変える手立てだが、変えてしまうと

アフガニスタンの文化を壊してしまうことに繋がってしまいかねないが、テロリストの養成国化

しているなら已む終えない感じもする。

それに抵抗しているのがタリバンなら、一概にテロリストと位置づけるのは異常だ。

さて、本題の批評に戻る。

「文明の自衛闘争」の章での結論は、「文明がテロから自衛する闘争なのである」と記載されて

いるが、むちゃくちゃな結論だ。百歩譲るとすれば、文明は一つ、文明の段階差はない、更に

信仰も金太郎飴的、政治体制も択一的という立場なら成立する論理だが、子供っぽい価値観だ。

「理解できぬ撤退」の章では、

「またもや、きつい軍事的任務を多国に恥ずかしげもなく押し付ける自己中心的な昔の日本になっ

たのか」とヨーロッパのメディアは書いたそうだが、語句を分析すると、何を意図した報道か全くこれ

だけでは、把握できない。例えば、「きつい」とはどいうい事なのだろう。

アフガニスタンへの関与」という表題で示された内容から見ると、全く「きつい」とは費用の面と

国内世論の動向を除けば思えない。何がきついのだろう。

超安全「洋上給油活動」の活動だけして、

超危険「不朽の自由」作戦(OEF)」、危険「国際治安支援部隊(ISAF)本隊業務」をしない日本を

責める報道ならよく分る。

更には、「軍事的任務」だとヨーロッパのメディアは認識しているという点にも驚いた。

軍事的という事は、警告なく攻撃できるという事で、警察活動ではないという事、加えて超法規的

行為もありうるということなのだ。

また、「多国に押しつける」という語句も分らない、どこの国に押し付けたというのだろう。

「インド洋海上阻止活動(MIO)」;7か国に自国の艦船への給油は自国で行うように求めたという

ことを押し付けたと解釈すると、そのメディアの軍事的センスを疑る。

以下、2000文字制限と疲れたので以降は別途。