HIGASHIMURATA’s blog

東村田昭の備忘録

デフレ何が困るのだ

デフレ率=1、これを現在のデフレとして、この時の給料を10万、毎月の預金を1万とすると

①デフレ率=1、給料=10万、毎月の預金=1万

5%の物価下落があったとすると

②デフレ率=0.95、給料=9万5千円、毎月の預金=0.95万

更に、5%の物価下落があったとすると

③デフレ率=0.90、給料=9万0千円、毎月の預金=0.90万

更に、5%の物価下落があったとすると

④デフレ率=0.85、給料=8万5千円、毎月の預金=0.85万

この間の預金総額=1+0.95+0.90+0.85=3.7万円

デフレがどんどん進んでも物がタダになると、給料もゼロでよいだろうが、起こりえない想定だ。

デフレがなく給料が下がらないと、預金総額=4万円溜まったはずだが、

4.0-3.7=0.3万円の不足が生じている。一見損のような感じもするが、この時に買おうと

思っていた物があるとその値段は、15%下落していると考えても間違いないだろう。

すると、例えば4万円だったものは、4*0.85=3.4万にさがっている可能性がある。

すると欲しかったものが買えるのである。

問題は、一律に下がらないということと、デフレでも下がらない物もあるだろうから、必ず手に

入るとは云えないことだろうが、その時は諦めるか、より以上に貯蓄を増やせばよい。

当然だが、借金のある者には地獄の苦しみを味わうことになる。

企業で無借金という所は少ないだろうから、借金を払う為に、社員の首を切ったり、給料をデフレ率

以上に下げたりする必要が出てくる。

これに対処する一つの薬が最近に衆議院を通過したモノトリアム法案かも知れない。

下がる所まで下がれば後は上がるか、停滞だろう。

停滞している間は法案を延長すればよいだろう。

頭にあるのは、国鉄の借金やJHの借金を実質上塩漬けにしているのと同じ手法だ。

正に構造改革、我々の思考の改革が必要なのだ。

更に感覚を変えて、借金の額もデフレ率にあわせて減じることが出来れば、面白い。

当然、インフレの場合は、借金の額もインフレ率にあわせて増えていくという制度はどうだ。

当たり前だが、預貯金も変動するのだ。

経済学のセオリーというか常識というか、そういう物を超越してもいいではないか。

デフレが困るという人には、まずその人が抱えている借金とその人が所属する企業の借金を

聞いてから、意見を拝聴するのがよろしいのではと思う。

株値が10000円だったかを切れば、会社が潰れるとか、為替が110円を切れば輸出企業が

潰れるとかよく言われていたが、結局、そういう事は起こらなかった。

自分や自分の会社や所属する組織を防御する発想がまず最初にあるのが普通だろうから

そういう専門家の意見にはよくよく注意しなければならない。

以上、物凄く荒っぽいシュミレーションだが、科学技術の世界で行なっているのも同じ程度で、

当然、その世界では実物試験を行い確認し、シュミレーション内容を実物に合わせていく。

こういう事をしないでいきなり製品化し、物を売るような会社はないと思う。

その理由は安全だ保てないからだ。

「思う」というのは、以前、某自動車会社がリコールした物を交換部品と取り替えたが、取り替えた

物自体が再び壊れたという報道があったので、多分これは計算だけで物を作り、実物試験を

しなかった手抜きだと思っているからだ。
 
もう一つは、原発納めのタービンの羽が壊れた件で、これはシュミレーション不良の上に

確認試験の手抜きだったと思う。

もっと根本的な問題は、ロートルな技術者が物の開発ツールの進歩についていけていない

からかも知れない。これは、40年前の新製品開発の体験から来ている。

但し、研究という立場では違う。

研究者が正しいと思ったパラメータで、正しいと考えたモデルでシュミレートし、それを発表する。

それはそれでよいのだが、そんなもの信じてはいけないが、夢としては受け止めてもよい。

それを選別するのが技術者の目、経営者の目なのだが、

経済モデル、気象モデル、世の中に一杯ありすぎて、いまや目が届かないんじゃないのか。